2023年12月07日
2023年11月15日(水) ~11月17日(金)にかけてパシフィコ横浜にてEdgeTech+ 2023が開催されました。
『事業変革期を迎えた今、エッジテクノロジーに新たなプラスで顧客起点の価値創出を実現するイベントへ』をコンセプトに、「事業変革を推進するための最新技術とつながる総合展」へと進化した今年度のEdgeTech+ 2023。昨年の266社を上回る約300社の企業や団体が参加、期間中の参加者も約3.3万人と昨年よりも1万人以上も増加しました。ブース展示以外にも150近くのカンファレンス、またロボットコンテストの大会やワークショップなどが開かれ、会場は大盛況でした。
都産技研では、本年度の公募型共同研究の中からIoT分野2件、ロボット分野1件の研究成果をパネルとデモ展示で発表しました。
■株式会社MAZIN(共同研究中)
次世代通信技術を使用した生産設備一括監視AIシステムの研究
次世代通信技術を活用して、複数の生産設備を一括で稼働監視することにより、設備メンテナンス業務の負担軽減を目的にしています。
生産設備の稼働情報は、機器・機種毎に蓄積されているものの、そのプロトコルや単位が異なることからメンテナンス業務も属人化しがちです。そこでこれらのデータを集約し、稼働状況をリアルタイムで一括監視できるシステムを提供します。さらには、それらのデータを利用し、異常や不具合を検知するAIシステムをメンテナンス業務に有効に活用していただけるように研究を進めています。
会場に展示した生産設備に取付けるセンサーや産業用PCには、稼働情報を収集する仕組みとあわせて来場者から多くの質問がありました。
■ルーチェサーチ株式会社(共同研究中)
次世代通信システムを導入したドローンの開発
ルーチェサーチ株式会社様は、ドローンの開発やドローンを使用した地形計測や災害支援を主に扱っている会社様です。現在はバッテリー+ガソリンエンジンを使用したハイブリッドドローンを使用しての長時間飛行と中継ドローンによる長距離通信を目指した開発・研究をされています。これまで長時間飛行や山中での携帯電波を使用した通信が困難であったところ、エンジンで発電して長時間飛行できるドローンを開発、さらに地上局と作業ドローンとの間に中継ドローンを飛ばして、地上局と作業ドローンの間を中継することで山間部でも安定的に通信できるようにしました。今後の課題としては、『いかに機体を軽くして、さらに長時間飛ばせるか』、また中継局としてのドローンを用いた次世代通信システムは様々な分野での活躍も期待されています。
■アップウィンドテクノロジー・インコーポレイテッド
桟橋などの海上構造物の点検作業を目的として、桟橋点検⽀援ロボット「YURA(ユラ)」を開発しました。YURAは、波のある海面でも、設定した航路上を安定的に進むことが可能です。また、4Kカメラを掲載し5Gの回線で鮮明な画像を送信できます。YURAによって、これまで危険が伴う作業であった桟橋の点検を安全に行うことが出来ます。
たくさんのご来場者様に興味を持っていただけたようで、みなさん足を止めて熱心に耳を傾けて、展示している研究発表をご覧になっておりました。
今回のEdgeTech+ 2023では「こんな会社、商品があったんだ!」という新たな発見や、「都産技研て何をしている組織なの?」「一緒に研究してみたいんだけれど・・・」というような公募型共同研究に興味を持たれた方、製品の利用を検討される方、別分野で利用できないかと研究内容に興味を持たれた方など、多くのご来場者様に「都産技研の未来へのワクワク」と「技術と企業の出会い」をお届けすることができたのではないかと思います。
都産技研では、「中小企業の5G・IoT・ロボット普及促進事業」の一環として、豊富な設備とノウハウをもとに、中小企業のIoT活用による生産性の向上や業務の効率化、IoT関連製品の技術開発に関する共同開発、新たなサービスの提供など、研究開発と人材育成、研究員のアドバイスをもとに様々な取り組みを行っております。
お客様のお悩みを私たち都産技研が一緒にサポートしていきます。お気軽にご相談ください。