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支援事例(公募型共同研究)

サーパス浅野株式会社

企業概要

昭和初期の創立以来90年にわたり、靴付属品のエキスパートとして靴産業・皮革産業に貢献。皮革製品はもちろん、豊富な靴用資材、靴クリームや中敷きなどのシューケアからオーソぺディック関連商品まで幅広い商品展開をしています。ヨーロッパを中心とした海外の供給業者との取引経験は30年。先進的な商品を含め豊富な海外製品を取り扱っている靴のエキスパートです。

導入効果

LEDで足元が照らされることで、暗い場所での作業や移動中の安全が確保できます。現在実証実験を通して、光の向きや歩調との適合性などの改良を検討しています。さらに開発の過程で新たなニーズの発見がありました。例えば、高精度な歩数計を搭載した靴が挙げられます。運輸業の現場では、移動距離が人事評価に大きく関わるため正確な計測が必要ですが、通常の万歩計では10%以上のズレが生じてしまいます。そのような問題をクリアするべく、さらなる開発へと着手しています。このようにIoTの導入過程で新たな気づきが得られるというメリットがありました。

開発のきっかけ

革靴からスニーカーへの移行が進み、靴産業はひとつの転換点を迎えています。消費者の価値観も変化し、デザイン性だけでなく機能性が注目されるようになりました。大手靴メーカーや欧州靴メーカーが売り上げの大半を占めており、それらと渡り合うためには、靴本来のデザインや機能だけでなくスマートシューズなどの高付加価値を持たせる必要があります。靴業界として、中小企業として、次に何をすべきか。靴に新たな価値を生み出すため、サーパス浅野株式会社は「IoT靴」の開発へ踏み出しました。
世の中には既に「IoT靴」がいくつか存在しています。その中で今までになかったものをクリエイトするべく、一般靴との差別化が図りやすい安全靴に目をつけました。一般靴とは明確に異なる機能が付加されている特殊靴とIoT技術を組み合わせることで、新たな価値を生み出そうと考えたのです。

概念図

事業内容

今回の開発で靴底にLEDを搭載した光る安全靴が誕生しました。一般靴とは異なり、電子機器を内蔵した靴底の耐久性の確保、さらには安全性を兼ね備えた電源の開発が課題でした。電源には圧電素子を応用し、かつパラレルリンク機構を採用することで、効率的に力を電力に変換することが可能になっています。本製品にはこれまでの大学や民間企業との共同開発の中で得られた、靴底への電子機器埋め込みに関する力学的検討の知見が活かされています。加えて今回は、スケジューリングやプランニングにおける都産技研のサポートもあって製品化が実現しました。

今、そしてこれから

量産化や低コスト化という課題がありますが、ただコストを削減するだけでなく、ニーズに合わせて新たな機能を与えるということも視野に入れています。電子機器を内蔵した靴底の応用アプリケーションはさらなる可能性を秘めています。これからはどのようなものが必要とされるか、またそれはすぐに実現可能なのかを見極めて開発に取り組んでいく必要があります。

動画の説明

靴産業は、消費者の靴における価値観が大きく変化したことにより、他にはない靴作りが求められています。
今回の共同開発のなかで、差別化を図るため、既に存在するIoT靴の中でも「安全靴」に着目し、新たな価値を見出そうと考えました。
その結果、量産化や低コスト化の課題を抱えつつも、靴底にLEDを搭載した光る安全靴が誕生しました。