IoTの導入を検討しているが、費用的な面でハードルが高いと感じている企業や工場を対象にして、追加工事や稼働停止の必要がなく、積層信号灯(パトライト)に、取り付けられるIoTシステムの提供を行った。複数台の積層信号灯の灯火状況を1台のカメラで取得することにより、安価で簡単に設置が可能なシステムを構築することが可能となる。
工場内の生産設備機器や検査機器には機器監視のために積層信号灯が具備されている。しかし、機器監視のIoT化を行うためには、既存の積層信号灯の刷新だけではなく、PLCや制御盤の改修も必要となり、大きな投資が必要になる。そのため、カメラで積層信号灯の点灯状況を取得して画像解析によって各機器の監視をするIoTシステムを構築した。既存のシステムに付属する形で追加可能なシステムであるため、機器の刷新も必要がなく、安価に導入することが可能となった。
エッジカメラデバイス内で、画像認識ライブラリを使用した、定点ネットワークカメラによって画像解析が行われる。積層信号灯から発せられた赤・黄・緑の灯火が、それぞれ点灯・点滅・消灯のいずれかの状態であるかを認識する。
エッジカメラデバイスから解析情報を取得し、取得した灯火状況をリアルタイムに工員に伝えるシステム研究開発を行った。主に、工場内において異常が発生した際、リアルタイム通知を行うことができる。
カメラから50m離れた10台の積層信号灯の点灯状態を、1台のカメラによって100%の精度で認識できることを実証した。
通信モジュール、低コスト通信採用によって、導入コスト・ランニングコストのさらなる低減を目指している。
初期設定の簡便化するため、初期設定アプリケーションの導入を検討している。
工員への灯火状況通知は、腕時計型などウェアラブルデバイスでの対応を検討している。
工場内の大型ディスプレイに、通知システムとしてインターフェースの導入を行うことを検討している。
現在、事業化は大きく進んではいないが、今回の共同研究により技術の開発を行うことができたため、製造業や工場を所有している企業を中心に今後サービスを展開していきたいと考えている。
現在では多くの工場においてDX化が進められており、今後もマーケットが拡大していくと予想している。そのため、今回開発した技術にとどまることなく、製造業、工場向けのDX化の取り組みを、今後進めていきたいと考えている。