Tokyo IoT ロゴマーク
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支援事例(公募型共同研究)

株式会社コミクリ

図書館IoTによるIoTセンサビジネス研究開発

概要

大学の図書館内スペースでは、学生は利用状況を事前に確認できないため、来館して目視で確認し、机に空きがない場合は利用ができない機会損失が課題である。そのため、センサを活用することで稼働状況のモニタリングを可能にし、利用状況に応じた机の配置変更など最適化のサポートを行う。将来的には、大学以外においても、図書館など公共施設に整備された机・椅子の稼働率の向上が期待できる。

特長

  • プライバシーに配慮したモニタリング方法
  • 点在するスペースをまとめてモニタリングするため広範囲な通信を実現するLoRaWANを使用
  • 机と椅子の稼働状況をブラウザで確認
概要図

概要図

研究開発の取組内容

大学図書館内スペースに学生が自由に利用できる机・椅子があるが、空きがない場合は、来館の確認時間が無駄となる。そのため、椅子に着座状態を検知できるセンサを設置し、状態を可視化することで利用状況を事前に把握できるシステムの開発に着手した。省電力化と広いエリアをカバーするためLoRaによるデータ通信を行う。

効果・成果

●着座検知センサ

LoRa/LoRaWANを切換通信が可能である。さらに静電センサを搭載し、椅子の着座状態を検知可能である。

●電波強度での位置計測

電波強度により、机・椅子などのおおよその位置を計測することが可能である。また、データを取得し、分析することで、稼働率の向上が期待できる。

●スマートフォンでの確認

スマートフォンなどのウェブブラウザから利用状況を確認ができる。QRコードを利用した机や会議室の予約機能を搭載している。

今後の課題

●安定性確保・省電力化

電源を安定して確保し、センサの消費電力の低減を行う。

●分析・集計時間の改善

ログの分析や集計時間を改善していく。

●管理の連携・デザインの洗練

ビジュアライズツールと予約システム管理の連携や新型コロナウイルスなどの昨今の社会情勢に対応できる。

開発者のコメント・PR

開発のきっかけを教えてください。
弊社では図書館情報システムを提供しております。
公共空間においては、机と椅子の稼働を最大化したいというニーズがあります。今回、実証を行った電気通信大学さまでも、図書館スペースにおいて、同様のニーズがありました。学生が情報をリアルタイムに把握でき、来館するかどうか意思決定を行うことができることを目指し、システム開発を行いました。
開発したシステムのPRポイントを教えてください。また、他社製品との違いは何でしょうか。
特長として、電波強度はLoRaで測り、ゲートウェイに送るのがLoRaWANになっています。動的にLoRaとLoRaWANの切り替えが可能となっており、LoRaのモジュールで切り替えができるのは、現在この開発したシステムのみだと考えております。
御社としてこのシステムをどのような業種・サービスに展開していきたいと思っていますか?
公共空間の運営をしている企業や自治体、大学、コワーキングスペースに展開していきたいと考えています。
御社の方針、今後の展望を教えてください。
公共空間の利活用に係るデジタル活用を支援するようなサービスを進めていきたいと考えています。
都産技研を利用して良かったことを教えてください。
さまざまなアドバイスをいただき、消費電力の調査を一緒に行っていただけたことです。さらに民間企業が持ちえない都産技研の電源ノイズ評価装置を用いて、部品の消費電力測定を行うことができました。

事業化に向けた取組

事業化の状況

サービス提供を目指してセンサの量産化と状態表示アプリのUI/UIXのブラッシュアップを進めている。
サービス展開に向けて動いているところだが、空間を運営しているお客さま、オーナーに向けて価値あるサービスになるよう進めていきたいと考えている。

今後の見通し

新型コロナウイルスの情勢下における、三密回避を行うようなビジネスへの転用を図り、普及させたいと考えている。

企業情報

株式会社コミクリ

事業内容
業務系システムの開発・導入支援、テレワーク事業など
設立
2009年4月1日
企業HP
https://www.comcre.co.jp/