販売店舗で、高品質でフレッシュなチョコレートドリンクをいつでもリーズナブルな価格で提供するためには、欠品防止、新鮮な材料の供給、過剰在庫防止、予防保全を行うためのシステムの構築が必要であると考えた。そのため、焙煎後のカカオニブを適切なタイミングで販売店舗に届けることにより、長時間在庫での酸化による風味劣化をおこさないようにするしくみの実現を目指した。チョコレート製造マシン(店舗で短時間にチョコレートが製造できるマシン)にIoT機能を付加して、稼働状況を把握し、得られた実績データからカカオニブの需要を予測するしくみと、機器を常に最適な状態で稼働させるための情報通知のしくみを構築した。
店舗で常に品質の高いチョコレートやドリンクを提供するためには、焙煎後のカカオニブの店舗在庫の期間を短くし風味劣化をなくす必要がある。そのためチョコレート製造マシン(店舗で短時間にチョコレートが製造できるマシン)にIoT機能を付加して、稼働状況を把握し、得られた実績データからカカオニブの需要を予測するしくみをつくり上げた。さらに、機器を常に最適な状態で稼働させるために情報通知のしくみを開発した。
マシンの稼働状況を取得し、データ通信を通してクラウドへ送信する機能を有するゲートウェイを開発した。
クラウドに送られたマシンの稼働状況から、販売店舗での消費・在庫状況の実態をデータとして見えるようにする機能を開発した。さらに、このデータから、各販売店舗でのカカオニブの需要予測につなげるための機能を開発した。
クラウドに送られたマシンの稼働状況から、マシンを常に最適な状態で動作させるためのメンテナンス情報や、消耗品交換情報を、マシンのユーザーに対し通知するための機能を開発した。
カカオニブの過剰在庫による劣化や欠品による販売機会喪失といった問題を解決した上で、美味しいチョコレートドリンクを作るための原料を供給し続けるしくみをつくり、今までにないチョコレートを楽しめる社会を創る一歩を踏み出せた。
今後マシンを国内外で社外販売展開していく際に、自社以外での設置環境やさまざまなユーザーの利用による動作に対応能な、操作性、機能および品質などを想定した商品・サービス設計が必要不可欠と考えている。
マシンのプロトタイプについては、チョコレートの本場パリのサロンデュショコラへ出展した際に、多くのショコラティエやチョコレート愛好家の評価を得ており、また、日本放送協会(NHK)で当該取り組みを放映いただいた。今年中の事業ローンチを目指しマシン開発と商品・サービス企画を進行中である。
マシンの技術開発やユーザービリティの向上とともに重要になってくるのが、導入後のサービスやメンテナンス体制であり、マシンから取得できるデータを元に、焙煎や供給タイミングを調整する以外の付加価値について検討を重ねている。実際に自社の店舗で本システムの現場運用を行い、スタッフからフィードバックを受けて改善を行うなど、実運用を想定した実証を継続している。