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支援事例(公募型共同研究)

株式会社eNFC

人体通信型のウェアラブルRFIDリーダーシステムの開発

概要

医療従事者の業務負担は膨大であり、間接業務(入力、記録にかかる作業)が煩雑という状況にある。そこで、人体を伝送媒体にして通信する電界型のRFIDを開発した。RFIDでは指で触れてタグの情報を読み取ることが可能であり、両手が自由に使える。そのため業務時間の短縮やミスの削減につながり、医療従事者の負担が軽減されると考えている。

特長

  • RFIDタグに手を触れるだけでID情報をリアルタイムかつ自動で記録
  • 読み取ったID情報はパソコンや業務日誌へ自動入力
  • 上記によって業務時間の短縮、ミスの削減がなされQOL(Quality of Life)が向上
概要図

概要図

研究開発の取組内容

看護師は患者の手首や薬剤の袋につけたバーコードやRFIDタグをリーダーで読み取る作業をしており、読み忘れや間違いなどのヒューマンエラーが発生することがあった。さらに、日々の業務日誌の作成に時間がかかっていた。そのため、電界型NFC技術によるRFIDリーダーシステムを開発した。看護師が、患者や医療器具、薬剤につけた電界型RFIDタグに手を触れるだけで、ID情報をリアルタイムかつ自動で記録することができ、読み取ったID情報はパソコンや業務日誌へ自動入力される。

効果・成果

●電界型RFIDタグの開発

手で触れて読むことができるタグを開発し、バッテリーレスで小型&低コストを実現した。

●電界型RFIDリーダーのポータブル化

いつでもどこでも、触れたものだけを読み取り可能な、持ち運べるリーダーを開発した。

●データ収集アプリの作成

触れた(読み取った)IDをリアルタイムで送信&表示が可能である。

今後の課題

●実証実験による評価

現在開発したRFIDは実証実験用のプロトタイプである。今後は、より多くの実証実験を行い、ばらつきや環境の影響による評価を進めていく必要があると考えている。

開発者のコメント・PR

開発のきっかけを教えてください。
ユーザに負担をかけないような通信機器の開発を行いたいと考えました。操作をできる限り簡略化し、直感的に扱うことが可能な通信機器の開発を目指し、モノに触っただけで通信できる機器の開発を行いました。
開発したシステムのPRポイントを教えてください。また、他社製品との違いは何でしょうか。
人体通信技術は大学や他企業で研究・開発が行われていますが、自社の開発品では、人の身体を通してデータだけでなく、電力も送ることが可能です。タグにはバッテーリーレスで、通信が可能となっています。
御社としてこのシステムをどのような業種・サービスに展開していきたいと思っていますか?
病院における看護師の負担を軽減することをテーマとして掲げているため、医療関係への展開は考えています。
その他にも、小売店、物流関係にも横展開していきたいと思っています。
御社の方針、今後の展望を教えてください。
他の会社にはないユニークな技術を持っているため、新しいサービスや製品の展開を続けていきたいと思います。
都産技研を利用して良かったことを教えてください。
都産技研は産業関係の技術や市場のニーズに対して、非常に広く深い知見を持っていると感じました。月1回の打ち合わせでは開発に有意義な意見をもらうことができました。
株式会社eNFC開発者

事業化に向けた取組

事業化の状況

現状では開発したプロトタイプを用いて、実証実験を行い、使い勝手や信頼性の検証を行っている。2021年度中に事業化することを目的としており、まずは医療関係や玩具関係に展開していきたいと考えている。

今後の見通し

コロナ禍以前は、「手を触れるだけ」でID情報をリアルタイムかつ自動で記録することができることに対し、高い評価を受けていた。しかし、新型コロナウイルスの影響によって、「手を触れること」に抵抗を持つ方がいる印象にある。そのため、「手を触れること」というリスクを上回る、便利さやスマートさをPRしていきたいと考えている。

企業情報

株式会社eNFCは2024年4月にユビ電株式会社に合流しました。

ユビ電株式会社

事業内容
充電サービスの管理・運営、環境価値創出事業
設立
2019年4月19日
企業HP
https://www.ubiden.com/

人体通信型のウェアラブルRFIDリーダーシステムの開発