医療従事者の業務負担は膨大であり、間接業務(入力、記録にかかる作業)が煩雑という状況にある。そこで、人体を伝送媒体にして通信する電界型のRFIDを開発した。RFIDでは指で触れてタグの情報を読み取ることが可能であり、両手が自由に使える。そのため業務時間の短縮やミスの削減につながり、医療従事者の負担が軽減されると考えている。
看護師は患者の手首や薬剤の袋につけたバーコードやRFIDタグをリーダーで読み取る作業をしており、読み忘れや間違いなどのヒューマンエラーが発生することがあった。さらに、日々の業務日誌の作成に時間がかかっていた。そのため、電界型NFC技術によるRFIDリーダーシステムを開発した。看護師が、患者や医療器具、薬剤につけた電界型RFIDタグに手を触れるだけで、ID情報をリアルタイムかつ自動で記録することができ、読み取ったID情報はパソコンや業務日誌へ自動入力される。
手で触れて読むことができるタグを開発し、バッテリーレスで小型&低コストを実現した。
いつでもどこでも、触れたものだけを読み取り可能な、持ち運べるリーダーを開発した。
触れた(読み取った)IDをリアルタイムで送信&表示が可能である。
現在開発したRFIDは実証実験用のプロトタイプである。今後は、より多くの実証実験を行い、ばらつきや環境の影響による評価を進めていく必要があると考えている。
現状では開発したプロトタイプを用いて、実証実験を行い、使い勝手や信頼性の検証を行っている。2021年度中に事業化することを目的としており、まずは医療関係や玩具関係に展開していきたいと考えている。
コロナ禍以前は、「手を触れるだけ」でID情報をリアルタイムかつ自動で記録することができることに対し、高い評価を受けていた。しかし、新型コロナウイルスの影響によって、「手を触れること」に抵抗を持つ方がいる印象にある。そのため、「手を触れること」というリスクを上回る、便利さやスマートさをPRしていきたいと考えている。
株式会社eNFCは2024年4月にユビ電株式会社に合流しました。