Tokyo IoT ロゴマーク
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支援事例(公募型共同研究)

株式会社フォレストシー

携帯圏外にて各種センサーデータ及び撮影画像の遠距離送信を可能にする
統合型モニタリングカメラの研究・開発
~日本の隅々まで、IoT通信圏外をゼロへ~
  • IoT通信事業部 リーダー
    藤本 晶史 様

企業概要

当社は2016年に創業50年を迎えた共同紙工株式会社、現在ジオパックという社名に変わっている特殊包装資材の製造業の会社から、異業種へのチャレンジとして社内新規事業で立ち上がったベンチャー企業です。
携帯圏外でも遠距離通信が可能な独自の自営無線規格「GEO-WAVE」を核とした無線通信機器及びIoTサービスの開発・提供を行っています。「日本の隅々まで、IoT通信圏外をゼロへ」というスローガンを掲げ、分野としては獣害対策や林業支援、防災対策など、遠距離無線通信とIoTの技術によって地方の中山間地域の課題解決に取り組んでまいりました。

企業HP:https://satoyama-connect.jp/

開発のきっかけ

これまでにGEO-WAVEを活用し携帯圏外から画像を送信できる「GeoCam」という遠隔監視カメラを試作し、その実用性については確認済みでした。しかし、通信部と撮影部が一体構造だったため、撮影対象に向けて最適な画角を確保すると設置環境によってはアンテナが斜めになってしまい、設置位置も低く通信状況が悪くなり、実際に設置が想定される山間部など通信条件が悪い現場においては、電波強度が不十分で不安定な通信になるといった課題がありました。そこで今回の共同研究では、通信部と撮影部を分離型にする開発や、カメラ以外の各種センサーを接続し汎用的なモニタリング機器にするための開発を行うことにしました。

開発の概要

撮影部と通信部を分離型にして、どのような設置環境でも通信性能を最大限向上することを目指し、分離構造としたハードウェアと、それらを動かすソフトウェアの開発を行いました。
実証実験では従来型と比較して、同じ条件で撮影を行う場合により良い通信状況で安定した画像の伝送ができるという結果が得られました。
さらには、水位計・傾斜計等の各種センサを独立した通信部に並列接続し、カメラと連動して現地の情報を正確に把握できる統合型モニタリング機能の実装を目指し、カメラと並行して各種センサ機器を接続可能な入出力端子を備えたハードウェアを開発することができました。

概要図

概要図

導入効果

本研究開発によって各種センサー統合型のLPWA通信機「GeoConnect」と専用カメラ「GeoCam」のハードウェア及びソフトウェアの開発が完了し、従来型GeoCamと比較して、より良い通信条件で画像撮影・伝送を行えることが確認できました。
さらにクロップ画像処理による擬似ズーム撮影や水位計との連動など応用的な機能についても検証を行い、設備監視や防災対策など実運用を想定した場合の有効性が確認できました。
これらによって従来型の課題が解消され、携帯圏外の山奥でも活用できる本格的な防災対策及び設備監視機器として製品化・販売を目指すことができる体制が整いました。

今、そしてこれから

今回研究開発を行ったGeoCam・GeoConnectという携帯電話のサービスエリア外の画像やセンサーデータを同時にモニタリングできる仕組みは、日本の中山間地域における設備監視や防災対策の省力化・迅速化といった面で大きく貢献します。我々がスローガンとして掲げている「日本の隅々まで、IoT通信圏外をゼロへ」という言葉の実現にも近づくことができると強く期待しています。

携帯圏外にて各種センサーデータ及び
撮影画像の遠距離送信を可能にする統合型モニタリングカメラの研究・開発
~日本の隅々まで、IoT通信圏外をゼロへ~