株式会社FOVEは、2014年に設立された、東京都港区北青山に所在するテクノロジー企業です。
視線追跡技術を核に、VRの可能性を切り拓くことを強みとしています。
人が「どこを、どのように見ているか」を高精度に捉える独自技術を活かし、VRハードウェアからソフトウェアまで一貫した開発を行っています。
研究用途や企業向けプロダクトで培ってきた知見をもとに、現在は医療・ヘルスケア分野への展開にも取り組んでいます。当社は、常識にとらわれない発想と実行力によって、人とテクノロジーの新しい関係を創り続けています。
FOVEは、目の動きを記録できるVRヘッドセットをいち早く開発し、研究機関や企業向けに提供してきました。
その中で、医療現場からは「今までより正確に目の動きを把握したい」「安心して医療で使える設計にしてほしい」といった多くの要望をいただきました。
一般向けに開発された従来のVR機器では、医療現場特有の使い方や品質基準に十分対応できないことがわかり、医療現場の声を丁寧に取り入れつつ、医療用プログラムをクラウド上で活用できる仕組みを備えた医療専用VRヘッドセットの開発に着手しました。
また、この取り組みを広げるため、都産技研との共同研究に至り、ハードウェア開発にあたり適切な評価環境の提供に加え、スケジュール管理や技術的リスクに関するアドバイスをいただきました。
本開発では、医療現場で安心して使用できるVRヘッドセットの実現に向けて、クラウド連携を前提とした段階的な開発を進めました。
まず、ヘッドセット内部に高性能かつ省電力な制御用チップを搭載し、映像表示や各種カメラ映像の処理、位置検出などのデータを安定して取得・送信するための制御ソフトウェアを開発しました。
並行して、限られた内部スペースを有効活用する電子基板設計や、発熱・ノイズに配慮した構造設計にも取り組みました。
さらに、不特定多数が利用する医療現場を想定し、消毒が可能で顔にフィットしやすい外装部品や、固定用スタンド、ストラップなどの機構部品を開発しました。最終段階では、取得したデータをクラウド上で管理・活用する評価用アプリケーションを開発し、試作品を用いた総合的な動作評価と安全性評価を、実使用環境を想定して実施しました。
都産技研には、ハードウェア開発における様々なサポートをいただき、総合的な動作評価にもご協力をいただきました。
概要図
本開発により、目の動きを細かく、かつ正確に記録できる医療向けVRヘッドセットの実現を見込んでいます。
VR映像視聴時の視線の動きは、脳や心、目の状態を把握するための重要な手がかりであり、これまで捉えることが難しかった微細な眼球運動まで記録できるようになることで、病気の早期発見や治療・リハビリ効果の検証など、幅広い医療分野での活用を見込んでいます。
また、クラウドを通じて複数の医療用プログラムを利用できる仕組みとしたことで、医療機関ごとのニーズに応じた柔軟な運用が可能となり、医療現場の効率化と医療の高度化に貢献します。
医療用プログラム活用の一例としては、目の動きによる認知機能検査に加え、視機能に関する検査プログラムなどが想定されており、精神科、神経内科、眼科などでの活用を想定しています。
VRヘッドセットが汎用的な機器であることから、他社製プログラムの利用も可能であり、めまいの判別を行う耳鼻科領域など、今後も多様な診療科への展開を進めていきます。
現在、医療専用VRを基盤とする新しい医療プラットフォームの構築に取り組んでいます。
本プラットフォームでは、クラウドを通じて医療向けアプリケーションを容易に選択・導入でき、医療機関がスムーズに活用できる環境を提供します。
今後は、疾患特性に応じた医療用プログラムを柔軟に導入できる仕組みを整備し、先進的な医療技術を迅速に現場へ届けることを目指します。
あわせて、ハードウェアについても技術革新に応じたチップの再選定や排熱機構の改良などにより、性能面の向上を図ります。
将来的には、国内外の医療機関や研究機関へと展開し、視線情報を活用した新たな医療の可能性を広げていきます。