ルーチェサーチ株式会社は、2011年6月に創業。本社は広島、東京に事務所を置いて、ドローンをはじめとする移動体を使った測量、解析のサービスを行っている会社です。
その他にも、各種ドローン、ロボットにおけるシステムの開発や運用の事業も行っております。
ドローンを使った災害の現場や、土木の現場解析あるいは画像解析サービスからスタートし、これらの現場から上がってくるニーズに対して、自社でドローンの製造、開発、設計、現場計測や解析に至るまで一連を通して行える点が特徴です。
企業HP:https://luce-s.net/
電力会社様向けに行っている送電線巡視の中で無人地帯や山間部でドローンを使用する機会があり、安全性、効率性を実現するドローン開発の要望がありました。
その中で2点の課題が浮かび上がりました。
この課題解決にあたり、長距離飛行と長距離通信が両用できるドローン開発がスタートいたしました。
長距離飛行では、一般的な20~30分という飛行時間に対して2時間を目標とし、ガソリンエンジンを搭載した発電機とバッテリーを併用できるハイブリットドローンの開発をしました。
ガソリンエンジンによる機体の振動が大きくなる問題解決には難航しましたが、共同研究の中で調整を重ね振動レベルが低くなるようにできました。
長距離通信では、ドローン向けの無線機の製品開発を行っているTKKワークス様にご協力いただき、ドロ-ンの操縦、画像や映像等のデータ転送が可能な通信機器を開発しました。
特に中継機は2.4GHz、5.7GHzで送受信を行うため、作業ドローンからの送信電波による干渉が起きないように送受信が出来る通信技術の実現が難しく、共同開発により干渉等が解決できた点は非常に大きかったです。
この2点の開発から長時間飛行と長距離通信が可能なドローンが実現しました。
課題の解決に至るまでには、都産技研からもユーザー視点も含めたご意見等、バックアップを行っていただきました。
一番の効果として、LTE等の通信環境が不安定あるいは圏外となる地域での飛行が可能になりました。
また、効率的である長時間飛行を実現することは山間部や沿岸部での巡視だけでなく、電力や通信網が喪失した災害現場での活動に対しても有効な強みとなっております。
今回の開発における課題は、振動対策だけでなく動力をハイブリット化する際に発生する電流のノイズ対策等もあり、実証実験を経て実施した対策技術により、今後の開発を行う上でのアピールする技術が増えたことにもなりました。
現時点ではシステムを購入頂くにまでには至っておりませんが、開発のきっかけとなった電力会社様とのやりとりにおいて利用方法のアプローチを行っています。
また、展示会に出展することで情報発信となり、興味を持っていただいた企業様から見積もりの引き合いをいただけるようになっております。
今回の研究では、中継器を使った長距離通信を実現しておりますが、今後の課題として複数の中継器をリレーすることで更なる長距離での運用の可能性も広がりました。
ドローンの分野は多岐に渡っておりますが、無人地帯での長距離飛行の強みをベースとし、企業様のドローンのお困りごとも弊社のプラスアルファとして解決できるようになっていけたらと考えております。