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支援事例(公募型共同研究)

モノコトデザイン株式会社
(研究開発パートナー:ビヨンドブロックチェーン株式会社)

ブロックチェーンと IoT による物流データのバリューチェーン化
~セキュアな物流プラットフォームを目指して~
  • 代表取締役
    谷口 勝男 様

企業概要

モノコトデザイン株式会社は、IoTとブロックチェーン技術 [提携先:ビヨンドブロックチェーン株式会社 (以下、BBc社と略す) ]を活用して、何か新しいことをやってみようとの思いから2018年に設立。
ホテル事業を中心に、観光客へ鍵を貸し出す際に、地域通貨や商店街の割引券、イベント情報などを提供することで、地域にお金を落としてもらう仕組みができないかと考えており、まずはスマートロック部分を製造・販売していくことからスタートしています。

企業HP:https://monokotodesign.co.jp/

開発のきっかけ

今後ますます複雑化、効率化を求められる物流システムにおいて、これまでのPOSなど既存システムと連携を図りながら、新しい物流DX事業へ貢献していきたいと考えまして、IoTデータの集積化の部分について、セキュアでオープンな物流プラットフォームをBBc社と共に開発することにしました。
この物流プラットフォームでは、食品衛生規格であるHACCP(Hazard Analysis and Critical Control Point)などを念頭に、配送ボックスの温度・湿度・開閉データなどを含む、トレーサビリティ情報をブロックチェーンに記録していくことにしました。

開発の概要

RFIDリーダライタ、配送ボックス、スマホアプリおよび物流サーバのシステムを開発、評価しました。
RFID端末で収集したデータを、物流サーバにアップロードするだけでなく、同時にデータを隠蔽した状態でエビデンスサーバにも書き込んでいます。

①IoTデータをクリティカルポイントごとに取得して、その日時や場所などの情報と共に記録すること
②ブロックチェーンの活用により、IoTデータの真正性を検証可能にすること
③配送中のセンサデータを取得して、温度だけではなく、中身の入れ替えなどがないことを検出 (封印証明) できるようにしました。

配送ボックスについては、内部に開封検知機能と温度センサ機能を有しており、配送ボックスの外側にRFIDタグを貼付して、輸送履歴をトレースできるようにしました。

概要図

概要図

導入効果

今回の実証では、ブロックチェーンを用いたエビデンスプラットフォームにより、物流データの集積が自動化・可視化され、複数の事業者が真正性を担保したデータを共有することで生まれる、セキュアでオープンな情報サービスを構築することが出来ました。
パブリックブロックチェーンに書き込む場合、その利用料を支払うことになりますが、将来的にはBBc社と連携して、コンソーシアム形式の軽量なブロックチェーンを活用することで、安価にデータの真正性を担保できると考えています。

今、そしてこれから

今回、BBc社と共に構築した物流エビデンスプラットフォームによるトレーサブルなIoTデータサービスの活用により、「成長産業としての物流」、「社会インフラとしての物流」の実現に向け、その強靭なファウンデーションの一部を担えればと考えています。

具体的には、
①共同配送や受発注の自動化、物流在庫の適正化、人的ミスの軽減などの業務効率化
②SDGs、ペーパレス化含め環境配慮指向などの、物流分野における課題解決
③コンタミネーション防止、商品の流れや配送品質の可視化など、医薬品や食の安心安全を支援する付加価値サービス
④国内物流だけでなく国際物流も視野に入れ、多種多様で国際的な業界規格 (IFRS:Scope 3含む) に対応
⑤AIで正しい分析を行うための基データの信頼性を向上させる
⑥物流業者間だけでなく、生産者~小売業者までサプライチェーン全体のエビデンスをバーティカル・インテグレーションさせる

など様々な発展が考えられます。

ブロックチェーンと IoT による物流データのバリューチェーン化
~セキュアな物流プラットフォームを目指して~