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未来創造室
マネージャー 河野 敏明様
シニアリサーチャー 毛利 宗一郎様
プリンシパルリサーチャー 松尾 恒様
シニアリサーチャー 三宅 博史
モルフォは、イメージング・テクノロジーの研究開発型企業として、2004年に事業を開始しました。
コンピューターサイエンスは実学であるという信念のもと、最先端の研究成果を理論にとどめることなく、社会のニーズに適応させ、世の中に活かしていくことを使命としています。
これまでに培ってきた画像処理技術と、最先端の人工知能(AI)・ディープラーニングを融合した「イメージングAI」によって、社会のさまざまな分野やお客様に貢献しています。基本姿勢としてオープンイノベーションを掲げ、お客様やステークホルダーと連携しながら、研究開発の成果を実社会の課題解決に応用し、世界をより豊かにすることを目指しています。
モルフォはこれからも、革新的なイメージング・テクノロジーを創造する集団として、「イメージングAI」の可能性に挑み続けます。
モルフォではこれまで、主にスマートデバイス向けに、写真や画像データを修正、補正、加工することで視覚的な品質を向上させるソフトウェアの開発を行ってきました。
その中で、画像処理技術の新たな活用領域として、実際の測量にも活用できるカメラ技術の開発を目指し、フォトグラメトリ(Photogrammetry)への取り組みを開始しました。
他方で、これまで自社でハードウェア開発に取り組んだ経験がなかったことから、都産技研の知見や設備を利用することで、より実践的な開発を進められるのではないかと考え、公募型共同研究に応募いたしました。
本研究では、「RGBカメラとフォトグラメトリによる安価なデバイス構成」、「エッジとクラウドの役割分担」、「自律探索による撮影効率化」の3点を軸に、計測デバイス、ドローン、クラウドソフトウェアを一体として設計・開発しました。
高価な専用機材を用いず、汎用的なRGBカメラとフォトグラメトリ技術を活用することで、低コストかつ実用的な三次元計測システムの構築を目指しました。
また、エッジ側とクラウド側で処理を適切に分担することで、計測から解析までを効率的に行えるアーキテクチャを実現しています。さらに、自律探索による撮影手法を取り入れることで、撮影作業の効率化と安定したデータ取得を可能としました。
開発にあたっては、都産技研の知見や設備を活用して未経験部分を補い、熱対策や電源設計など、製品化を見据えたハードウェア設計上の課題にも対応しました。これにより、ソフトウェアとハードウェアを統合した実用的なシステム開発を進めることができました。
その結果、25平方メートルの範囲を約3〜5分で計測でき、計測精度は5mmという高精細なデータを取得することに成功しました。
概要図
本研究により、カメラ画像のみを用いて高精度な三次元データを再構成する撮像モジュールをドローンに搭載した、自律飛行型の空間測定システムを実現しました。
これにより、主に建設DX分野における計測作業や部材推定の効率化に貢献できることが確認されています。
LiDARを使用せず、カメラ画像とフォトグラメトリ技術のみで三次元計測を行うことで、安価に必要な情報を取得できる点に加え、作業者の経験に依存しない、属人的ではない計測が可能となりました。
その結果、建設現場での計測作業の効率化や品質の安定化が期待できます。
また、リフォーム時の三次元データ自動作成など、さまざまなシーンでの活用可能性も見えてきています。
一方で、実地環境では現場ごとに条件や状況が異なるため、現在は建設会社様の現場協力を得ながら、さまざまなシチュエーションに対応するための改善にも取り組んでいます。
写真測量による高精度な計測技術や、三次元再構成における自律的な撮像による自動化、さらに複数カメラデバイスを用いた全天球画像の生成など、本製品は多くの分野での活用可能性を秘めています。
本研究では、今後約1年を目途に実地環境における課題解決に取り組み、サービスとしての事業化を見込んでいます。
また、カメラ部分の技術については先行してリリースすることも検討しています。
年内には実際にお客様にご利用いただく中でフィードバックを得たいと考えています。
ビジネスモデルとしては主にレンタル提供を想定しており、契約台数を段階的に拡大しながら、3年後に200台の導入を目標とした事業計画を進めています。